【技術士二次試験対策】筆記試験・口頭試験の科目別の合格率を知る ~科目毎に合格率の違いはあるのか?~(2020年版)

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技術士二次筆記試験

先の記事の「筆記試験・口頭試験の部門別の合格率を知る ~部門毎に合格率の違いはあるのか?~」(2020年版)では、実際の筆記試験及び口頭試験の合格率を2019年度の統計実績と筆記試験合格発表データを基に、「2019年度 技術士部門別 筆記試験及び口頭試験の合格率」を表で作り、分析・予想してみました。

 

今回は、申込者が1000人以上いる電気電子部門、機械部門、建設部門、上下水道部門、農業部門の5部門について、科目別のデータを基に、「2019年度 技術士 科目別 筆記試験及び口頭試験の合格率」を作り、分析・予想してみます。

1.電気電子部門の分析、予想

 

◇2019年度、電気電子部門の筆記試験の合格率は、13.8%で科目毎のバラツキは、最高が「電力・エネルギーシステム」の18.2%、最低が「電子応用」の9.8%で8.4%の差がありました。口頭試験の部門合格率は88.2%で、「情報通信」の68.8%が最も低く、「電子応用」が100%であり科目毎にバラツキがありますが、「情報通信」が一番低い傾向は2018年度と同様であり、その差は広がりました。(2018年度の口頭試験合格率は、「情報通信」の82.1%が最も低く、「電子応用」が100%でした)

 

◇「電力・エネルギーシステム」と「電気応用」が口頭試験で1名ずつだけ落ちている点ですが、これは、よほど口頭試験がダメだったのか、当日の都合で欠席したのかの2パターンが考えられます。なお、2018年度の口頭試験でも、「発送配変電」(「電力・エネルギーシステム」の旧科目名)、「電気応用」でそれぞれ1名ずつ落ちています。

 

○2020年度の電気電子部門の合格率は、2018年度と2019年度の結果より筆記試験で15%程度、口頭試験で90%程度、最終合格率は10%前半(10~15%)、前の年と同じような傾向と予想します。

 

○2018年度と2019年度の結果より、2020年度の口頭試験の科目別の合格率は、「電力・エネルギーシステム」、「電気応用」、「電子応用」が高めと予想します。「情報通信」、「電気設備」については、部門内で、口頭試験の合格率が低めと予想します。なお、「電子応用」は一時期、筆記試験の合格率が極めて低い時期がありました。試験官の交代等があれば、どの科目にも言えることですが、合格率は変動しますので、注意が必要です。

2.機械部門の分析、予想

 

◇2019年度、機械部門の筆記試験の合格率は25.6%で、科目毎のバラツキは、最高が「加工・生産システム・産業機械」の31.7%、最低が「流体機器」の15.3%で、16.4%の差がありました。口頭試験の部門合格率は75.7%で、最も高い「動力エネルギー機器」が84.2%、最も低い「材料強度・信頼性」の66.0%であり、18.2%差がありました。

 

◇筆記試験及び口頭試験共に、科目別の合格率の差幅が20%以内であるため、部門合格率をベースに10%程度前後すると考えておいた方がよいです。なお、2018年度10科目から2019年度6科目へ科目統合があったため、電気電子部門のように科目統合がなかった部門のように今回は年度比較ができません。

 

○2020年度の機械部門の合格率は、2018年度と2019年度の結果より筆記試験で25%程度、口頭試験で75%程度、最終合格率は20%程度(25%×75%=19%)で、前の年と同じような傾向と予想します。

 

◎部門別で、機械部門は、筆記試験の合格率が他部門に比べると高く、筆記試験で口頭試験の人数を多めに確保しておき、口頭試験で人物の実力を評価し、合格者を決めているといった部門特有のスタンスがあります。「材料強度・信頼性」は、筆記で多めに合格させて、口頭で篩いにかけて落とす典型的(象徴的)な科目であったようです。

3.建設部門の分析、予想

 

◇2019年度、建設部門の筆記試験の合格率は10.5%で、科目毎のバラツキは、最高が「道路」の16.3%、最低が「電力土木」の5.6%で、10.7%の差がありました。口頭試験の部門合格率は89.5%で、最も高い「電力土木」が100%、最も低い「道路」の77.8%であり、22.2%差がありました。

 

○上記の結果からも分る様に、筆記試験で合格率が高い科目は、口頭試験の合格率を低くし、筆記試験の合格率が低い科目は、口頭試験の合格率を高めて、科目毎の最終合格率に差が出ないように調整している傾向が伺えます。よって、2020年度の筆記試験を受けてみて高い合格率の科目であったとすれば、口頭試験で部門平均の合格率よりも低く抑えられるなど、ある程度傾向が見えてきます。

◇2019年度の建設部門の筆記合格率については、11科目と科目数が多い割には、筆記試験合格率の科目別の幅は数%程度で、バラツキは多くありませんでした。筆記合格率が低いのは、部門共通の必須科目の記述試験が相当難しく、その時点で、ほとんど落ちたため、科目毎のバラツキが出なかったのではないかと予想します。

 

○2020年度の建設部門の合格率は、2019年度の結果より筆記試験で10%程度、口頭試験で90%程度、最終合格率は10%程度(10%×90%=9%)と予想します。なお、参考までに2018年度の部門合格率は、筆記試験で6.8%、口頭試験で91.8%であり、最終合格率6.3%であり極端に低い年でありました。2019年度は、もっと合格率が回復するのではと考えていましたが、最終合格率で9.4%とさほど回復しなかったため、上記と予想しました。

4.上下水道部門の分析、予想

 

◇2019年度、上下水道部門の筆記試験の合格率は13.2%で、科目毎のバラツキといっても2科目しかないのですが、高い方で「下水道」の13.7%、低い方で「上水道及び工業用水道」の12.6%で、1.1%の極めて小さい差でした。口頭試験の部門合格率は90.6%で、最も高い「下水道」が94.6%、最も低い「上水道及び工業用水道」の85.0%であり、9.4%差であり筆記試験よりも少し差がでました。

 

○上下水道部門は、2科目しかないため、筆記試験及び口頭試験の合格率の差が開かないように、部門統制が利きやすい傾向があるようです。2020年度の合格率は、2018年度と2020年度の結果より、筆記試験10%前半、口頭試験で90%程度、最終合格率は10%前半(10~15%)に落ち着くのではと予想します。

5.農業部門の分析、予想

 

◇2019年度、農業部門の筆記試験の合格率は13.2%で、科目毎のバラツキは、最高が「植物保護」の35.7%、最低が「農業農村工学」の9.1%で、22.7%の差がありました。口頭試験の部門合格率は95.6%で、最も高い「畜産」「農村地域・資源計画」が100%、最も低い「農業・食品」の80.0%であり、20.0%の差がありました。

 

○農業部門の中で5つの科目のうち「農業農村工学」の受験者が8割以上を占めていますので、この科目の合格率が部門全体の合格率を左右します。2020年度の農業部門の合格率は、2018年度と2019年度の結果より筆記試験で10%前半、口頭試験で95%、最終合格率は10%前半(10~15%)に落ち着くのではと予想します。

6.まとめ

以上のように、技術士の筆記試験及び口頭試験は科目毎(試験官)の求めるレベルによっても、合否が左右されるため、受験者自身が出来ることとして、筆記試験及び口頭試験の準備対策には、万全を期して、悔いのない状態で臨まれることをお勧めします。

 

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