【資格の活用】電気工事士と電気主任技術者の組合せによる相乗効果(ダブルライセンスのメリット)

スポンサーリンク
電気主任技術者(第1種、2種、3種)

1.電気工事士の仕事(電気工事設計・施工の専門家)

電気工事士は、住宅、店舗、事務所、工場、病院、公共施設など、ありとあらゆる建物において、電気設備の設計・施工を行う仕事です。

 

いわゆる資格の分類でいえば、「業務独占資格」であり、電気工事士以外は上記の工事を行うことができません。

具体的には、ビルなどを新築する際、外の電柱から電線を建物内に引き込んで、各部屋に配線したり、配電盤を設置したりします。

 

また、既存の建物に対しては、故障した部分を修理したり、新たな配線を追加したり、コンセントや照明、エアコンを増設したりします。

 

さらに、工事するだけでなく、大規模なビルや商業施設に常駐して、エレベータやエスカレータ、変電設備、防災設備などのメンテナンスを行うこともあります。

2.電気主任技術者の仕事(事業場の専属と外部からの選任)

一方、電気主任技術者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督のため、設置者が電気事業法上置かねばならない電気保安のための責任者です。

 

いわゆる資格の分類でいえば、「設置義務資格(必置資格)」です。

電気主任技術者は、事業場の専属の主任技術者の他に、主任技術者の不選任承認制度(電気事業施工規則第52条第2項)により外部の電気主任技術者を選任できる制度があります。

 

具体的には、出力500kW未満の発電所(原子力発電所を除く)のみに係る事業場および電圧7,000V以下で受電する最大電力が1,000kW未満の需要設備のみに係る事業場または電圧600V以下の配電線路を管理する事業場であって、保安協会または電気管理技術者と保安に関する業務を行ってもらうべき契約をしている場合等で、所轄経済産業局長の承認を受けた事業場については主任技術者を選任しないことができる制度です。

3.電気工事士と電気主任技術者の組合せによる相乗効果(ダブルライセンスのメリット)

 

電気工事士は、業務独占資格であるのに対して、電気主任技術者は、設置義務資格(必置資格)であり、この2つを組合せることにより、以下の相乗効果が得られます。

(1)電気主任技術者の仕事を主体とした場合

 

外部の電気主任技術者に事業場の電気工作物の保安監督を依頼する際に、電験のみの資格の人と電験と電気工事士の両方の資格を持っている人が居て、どちらも面識がない場合に仕事をお願いするとなると、やはり両方持っている人にお願いする人が多いと思います。

 

両方の資格を持ち合わせることにより、事業場の外部から電気設備の保安業務契約を結び電気主任技術者としての立場で仕事をすることに加え、設備故障時の電気回路の修理対応や改修工事を設計・施工できる立場で活動できるため、本人とお客様の双方にメリットがあります。

 

また、事業場の専属の電気主任技術者になった場合には、雇用契約次第で、電気工事士として一人親方の電気工事業務を行うことが可能です。

(2)電気工事士の仕事を主体とした場合

 

逆に、電気工事士として電気設備を設計・施工し、運開後に、外部からの電気主任技術者として委託を受けるケースが考えられます。

 

また、事業用電気工作物(簡単に言えば、大規模な電気設備)を新設するには、建設工事の保安監督としての電気主任技術者の専任が必要であるため、電気主任技術者を持って入れば、その任に自らあたることができます。

 

お客様にとっては、電気設備の設計・施行者と、運開後の保安監督者が別な人よりも、同じ人に保安監督を任せた方が、設備の設計思想を知っていることに加え、工事を施工し、設備構築までのやり取りでお互いの信頼感が深まっているため、運開後の設備運用に関する不安が解消されます。

 

仕事を任せられる本人としても、自身の設計と施工に責任を持ち、運開後の設備の保安にも携われることは、「トータルサポートビジネス」として、利益を継続できる仕組み作りに繋げることができます。

 

4.相乗効果(ダブルライセンスのメリット)のまとめ

 

以上のように、どちらの仕事をメインにしても、両方の資格を持ち合わせることによる相乗効果とメリットを顧客に説明し理解していただくことで、更なる仕事のオファーが増えることが期待できます。

 

以下に、今回記事の関連リンクを貼りましたので、参考にしてください。

 

関連記事リンク1: 【資格の概要】電気工事士とは ~電気工事士法による規定~

 

関連記事リンク2: 【資格受験全体の流れ】電気工事士の試験区分と試験の流れについて

 

関連記事リンク3: 【資格の保有者講習】第1種電気工事士の定期講習 ~実施機関の比較や受講の感想~

 

関連記事リンク4: 【資格の概要】電気主任技術者とは ~電験と呼ばれる理由~

 

関連記事リンク5: 【資格受験全体の流れ】電気主任技術者の試験区分と試験の流れについて

 

関連記事リンク6: 【電気事業法】電気主任技術者(電験)1種・2種・3種の保安監督範囲

 

関連記事リンク7: 【電気事業法】電気工作物の区分 ~一般用・事業用・自家用の分類~

 

関連記事リンク8: 【資格取得】業務独占資格や名称独占資格などの資格分類について ~4つの分類~

 

厳選記事リンク1:  【100記事投稿記念】筆者が選ぶ厳選21記事

 

厳選記事リンク2:  【150記事投稿記念】筆者が選ぶ厳選15記事

 

以上

<通信講座の紹介>

かつて私が受講し合格できた「挑戦!電験二種受験合格講座」を初め、電験3種、電工1・2種、消防設備士、危険物取扱者、1・2級土木施工管理技士など豊富なエンジニア系の通信講座を扱っています。「挑戦!電験二種受験合格講座」のテキストは、東電の方をメインとして各部門のエキスパートの方が、それぞれの専門分野を章毎に執筆しています。また、質問券に対して丁寧な回答を頂きました。貴重で密度の濃い通信講座です。↓

【ヒューマンの通信講座*『たのまな』】
全国にスクールがある『ヒューマンアカデミー』の通信講座。講座は130以上!


スタディング技術士講座
(短期間で技術士に合格!)
1.論文対策・口頭対策をマンツーマン指導
2.経験豊富な講師による二次対策オンライン講座
3.添削機能で直接講師の指導が受けられる
お試し無料講座あり
のある方は、下記をクリックして下さい↓

スタディング技術士講座

以下は、第1種および第2種 電気工事士試験専門の通信講座です。重要なポイントさえ押さえることができれば、短期で対策ができます。電気工事士のエキスパート、早川先生のライブ講義で効率的に短期合格を目指しましょう。↓

【第1種電気工事士 短期合格特別講座】

【第2種電気工事士 短期合格特別講座】

以下は、施工管理技士の国家試験専門の通信講座で、「電気工事」「管工事」「土木」「建築」「造園」「舗装」「建設機械」に関する「1級」や「2級」、及び「学科/実地」や「実地のみ」とバリエーションが豊富な独学サポートの通信講座です。↓

1級電気工事施工管理技士[独学サポート・実地論文の作成指導あり、※1級電気以外の申込み方は、スマホではなく、パソコンからクリックしてください]

以下は、電気工事士、電験3種、管工事・土木施工管理技士、危険物取扱者、衛生管理者など多数のエンジニア資格を扱う通信講座です。↓

コメント

タイトルとURLをコピーしました