【安全対策】機械安全規格を活用した災害防止 ~リスクアセスメント、本質的安全設計方策・安全防護~

労働安全コンサルタント

 

【安全対策】機械安全規格を活用した災害防止 ~リスクアセスメント、本質的安全設計方策・安全防護~

 

1.機械安全設計の重要性

 

ヒューマンエラーは必ず起こるために、人の注意力に依存した対策には限界があります。

 

これに対し、人の誤り(ヒューマンエラー)や機械の故障が事故や災害に繋がらないように、機械安全国際規格 ISO12100などに定めるリスクアセスメント及びリスク低減策(本質的安全設計方策及びガードや保護装置による安全防護)によって、安全な機械システムの構築を目指すという考え方に変わってきています。

 

 

2.ISO12100のリスク低減戦略

 

図1.ISO12100のリスク低減戦略(欧州起源)

 

機械安全のリスク低減については、何より設計者が危険を取り除くことができるステップ1の「本質的安全設計方策」とステップ2の「安全防護」に尽きます。この2つのステップで8割方、危険を取り除くことができます。

 

また、ステップ3により「使用上の情報」を警報としてあげたり、取説に明記したりするこで1割程度低減します。ここまでが、設計者によるリスク低減策です。

 

残りの1割程度の残留リスクは、使用者が手順表を作成したり、保護具を装備することでカバーします。

 

要するに、設計者による危険源の低減が9割方を占めリスクアセスメント上において最も有効です。

 

 

3.リスクアセスメントの実施

 

(1)機械の使用上の制限の決定

 

・使用上の制限(通常の使用だけでなく、予見可能な誤使用も考慮)

・空間的制限(可動部分の動作範囲、据付場所などを考慮)

・時間的制限(機械的・電気的寿命などを考慮)

・危険にさらされる者(作業者の種類、熟練度などを考慮)

・ライフサイクル(通常の運転時だけでなく、段取り、トラブル処理、保守・点検・修理、清掃・除去、改造、廃棄などの作業も考慮)・故障・不具合時の特性

 

(2)危険源の特定(危険状態、危険事象、危害も含む)

 

・機械的危険源(からまれ、摩擦及び摩耗、切断、せん断、突き刺し及び穴あけ、衝撃、挟圧、引っ張り込みなど)

 

・その他、電気的、熱的、騒音・振動などの危険源があります。

ここでは危険性及び有害性の調査に徹すべき。

危険源+人→危険状態→危険事象→危害という災害シナリオの想定力が重要。

 

(3)リスクの評価と推定

 

リスク=(危険源による傷害のひどさ)と(傷害が起きる可能性)の掛け算

 

 

4.機械災害発生のプロセス

 

図2.労働災害の発生に至る過程


労働災害の発生に至るには、3つの過程があり、

 

・本質的安全設計方策の失敗による人が危険源に接近してしまうケース

・安全防護の失敗による安全防護が不十分なケース

・管理的対策の失敗による人による回避を失敗してしまうケース

 

があります。この3つのケースをクリアすることで、安全が担保されます。

 

 

5.ISO12100に定められた本質的安全設計方策

 

1)鋭利な端部、角、突起物などを除去する。

2)挟まれるおそれのある部分は、人体が進入できないように狭くす るか、または挟まれるおそれがない程度に広くする。

3)機械の可動部が発生する力を小さくする。

4)可動部の運転速度を小さくする。

5)可動部の持つ運動エネルギを小さくする。

6)応力の制限、過負荷の防止、破損や腐食の防止などに配慮する。

7)機械設備の見直しやレイアウトの変更によって、危険な機械設備を根絶する。

8)作業方法の変更によって、危険な作業を根絶する。

9)自動化によって、人と機械の接触危険性を減少させる。

10)有害性のない材料を使う。

11)機械の転倒防止のために安定性を確保する。

12)機械設備のライン内の視認性を確保する。

13)誤操作しにくい配置や色とする など

 

本質的安全設計方策には、“危険源の除去”と“リスクの大幅な低減”があります。

 

危険源の除去に該当:1)7)10)11)

 

リスクの大幅な低減:2)3)4)5)6)8)9)12)13)

 

 

6.安全防護の種類

 

(1)固定式ガード

 

・防護囲い ・防護柵

・調節式ガード ・トンネルガード など

 

図3.固定ガード

 

 

(2)可動式ガード

 

・スライド式 ・ヒンジ式

・ロック式 など

 

図4.可動ガード

 

電磁ロック付きインターロックガイド:最近の洗濯機などに適用されているもので、従来は蓋を空ければ停止方向へ進むものでしたが、機械の慣性による停止過程での巻き込まれが懸念されるため、機械が停止した後でなければ、蓋が開かない機構となってきています。

 

(3)保護装置(安全装置)

 

・光線式 ・レーザー式

・両手操作式 ・マット式

・ガード式 など

 

図5.保護装置(安全装置)

 

 

7.機械安全に取り組むメリット(まとめ)

 

 

機械メーカー

(安全な機械の設計)

機械ユーザー

(安全な職場作り)

安全化

<企業姿勢の証明>

・BCP(事業継続性)

・競合と差別化(技術力向上)

・売上げ向上

<安心な職場作り>

・人の不注意による災害減少

・暴露頻度の削減、自動化⇒生産性・品質の向上

災害発生

<企業(製品)イメージ悪化>

・設計の説明責任が問われる

・損害賠償(PL)が生じる

<企業イメージ悪化>

・ブラック企業のレッテル

・生産ラインの一時停止

 

 

ISO12100などの機械安全規格の活用によって、安全な職場を実現するとともに、企業の競争優位を確保するため、「安全は投資」として捉えて、安全意識の高い人づくりが、企業社会において最も重要だと考えています。

以上

 

 

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