【資格取得】ガス主任技術者(甲・乙・丙種)とは ~電気主任技術者(電験)との比較~

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電気主任技術者(第1種、2種、3種)

 

【資格取得】ガス主任技術者(甲・乙・丙種)とは ~電気主任技術者(電験)との比較~

 

ガス主任技術者とは、ガス事業(小売・導管・製造)の用に供するガス工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、設置者がガス事業法上置かねばならない保安のための責任者です。

 

ガス主任技術者の指名に際しては、経済産業省令に定められる通り、対象とするガス工作物の最高使用圧力に応じて、甲種、乙種及び丙種ガス主任技術者国家試験に合格し、免状を保有している者のうちから選出しなければなりません。

 

具体的には、一般の需要に応じ導管を通じて供給される都市ガスの製造、供給、小売全ての過程のガスを取り扱う資格です。『ガス事業法』に基づきガス工作物の保安・監督などを行うことが仕事です。

 

乙種 スマホで覚える ガス主任技術者試験 基礎理論 計算問題解説集 令和2年版

 

甲種 スマホで覚えるガス主任技術者試験 基礎理論 計算問題解説集 令和2年版

 

1.ガス主任技術者免状の種類と監督の範囲

 

甲種– ガス工作物の工事、 維持及び運用

 

乙種– 最高使用圧力が 中圧(*1)及び低圧(*2)のガス工作物並びに特定ガス発生設備等(*3)に係るガス工作物等の工事、維持及び運用

 

*1.中圧とは、ガスによる圧力であって、0.1MPa以上、1.0MPa未満の圧力をいいます。

 

*2.低圧とは、ガスによる圧力であって、0.1MPa未満の圧力をいいます。

 

*3.特定ガス発生設備等とは、特定ガス発生設備と移動式ガス発生設備を指します。

特定ガス発生設備(*4)は、 簡易ガス事業(*5)のためのもので、LPGボンベと気化装置からなります。

移動式ガス発生設備は、ガスを一時的に供給するための移動することができるガス発生設備です。
熱量変更時とか導管工事、災害等の非常時に使います。

 

丙種– 特定ガス発生設備(*4)に係るガス工作物の工事、維持及び運用

 

*4.特定ガス発生装置の概略図

 

*5.簡易ガス事業とは、ガス事業法に基づき許可を受けた簡易ガス事業者が、「一般の需要に応じ、政令で定める簡易なガス発生設備(『特定ガス発生設備』という。)においてガスを発生させ、導管によりこれ(※主にLPG)を供給する事業であって、一の団地内におけるガスの供給地点の数が70以上のものをいう。」(法第2条第3項)
簡易ガス事業についても、一般ガス事業者に対する規制よりは緩やかなものの、供給義務が課され、原則として認可を受けた料金その他の供給条件での供給しか認められません。

 

2.ガス主任技術者と電気主任技術者の比較(違い)

比較項目

ガス主任技術者

電気主任技術者

法律

ガス事業法(昭和29年3月31日法律第51号)
※電気事業法よりも10年古い制定である

電気事業法(昭和39年7月11日法律第170号)

監督所管

経済産業省

経済産業省

資格の分類

国家資格

設置義務資格(必置資格)

国家資格

設置義務資格(必置資格)

免状の種類

甲種・乙種・丙種に分類

第1種・第2種・第3種に分類

免状毎の

監督範囲の

区分

ガス圧力や設備形態(事業形態)により区分

電圧や発電設備の出力により区分

※.末尾に関連過去記事のリンクを貼りましたので、詳細はそちらで参照下さい

筆記試験以外の免状取得方法

なし

学歴等による実務経験で申請取得可能

一次・二次試験

全ての試験種類において、1回の試験で合否決定

第1種および第2種は、一次試験合格者が二次試験を受験する

第3種は、1回の試験で合否決定

科目合格制度

なし

第3種の試験、および第1種と第2種の一次試験において科目合格制度あり(2年間有効)

出題形式

マークシート問題+論述問題

第3種:マークシート問題

第1種・第2種一次試験:マークシート問題

第1種・第2種二次試験:記述式問題

試験月

例年9月下旬頃

●第一種

□一次試験・・・・8月下旬頃

□二次試験・・・・11月中旬頃

●第二種

□一次試験・・・・8月下旬頃

□二次試験・・・・11月中旬頃

●第三種

□試験・・・・9月上旬頃

受験資格

制限なし

制限なし

受付期間

例年5月下旬~6月上旬頃まで

例年5月下旬~6月中旬頃まで

受験料

一律12,700円(願書を入手し郵送申込み)

※受験願書受付期間:5月下旬の指示日まで

●第一種・・・・12,400円(郵送:12,800円)

●第二種・・・・12,400円(郵送:12,800円)

●第三種・・・・4,850円(郵送:5,200円)

合格発表月

例年12月下旬頃

●第一種・第二種

□一次試験・・・・10月中旬頃

□二次試験・・・・2月中旬頃

●第三種

□試験・・・・10月下旬頃

難易度

普通

近年合格率は甲種:6.6%、乙種:11.6%、丙種:17.0%程度である

やや難しい~普通

近年合格率は、第一種(一次):24.1%、(二次):13.7%、

第二種(一次):24.1%、(二次):14.5%、第三種:9.1%程度である

(但し、科目合格を除く)

試験機関

一般財団法人日本ガス機器検査協会

JIA 一般財団法人 日本ガス機器検査協会
JIAは、公正中立な第三者認証機関として「製品認証」「マネジメントシステム認証」「環境ソリューション」をご提供しています。IATF16949、FSSC22000を始め、地球環境では森林認証、CO2排出量検証、土壌汚染調査・対策で高い評価を受けています。

TEL:03-3960-0159

一般財団法人 電気技術者試験センター

一般財団法人 電気技術者試験センター

TEL:03-3552-7691

 

3.まとめ(所感)

 

・免状の種類でガス主任技術者が甲・乙・丙種であるのに対して、電気主任技術者は第1・第2・第3種と呼び方が違います。しかし、保安の監督範囲が、ガス圧や電圧で区分しているところは、似ていると感じました。

 

・受験料は似たような金額です。但し、受験者数が多い電験3種については、他と違い半額以下となっています。

 

・難易度は、電気主任技術者の方が、各クラスともに難関です。但し、受験者の職業上の経験値にもよります。

 

・受験資格には、いずれも制限がなく、どなたでも勉強してチャレンジできる資格であるため、興味のある方はチャレンジしてみてはどうでしょうか。

 

 

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