【源泉かけ流し温泉】泉質名の分類 ~特徴・効能・代表温泉~

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本物温泉の知識

 

【源泉かけ流し温泉】泉質名の分類 ~特徴・効能・代表温泉~

 

武漢ウイルス騒動の「緊急事態宣言」が47都道府県で解除されて、初の週末を迎えました。

 

今年の秋から冬にかけて、インフルエンザや武漢ウイルスが流行することが、考えられますので、この初夏から、源泉かけ流し温泉でプチ湯治して、免疫力を高めておくことをお勧めします。

 

温泉の泉質には、大きく分けて、9つの泉質名に分類されています。それぞれ特徴や効能に違いがありますので、紹介していきます。(正式には、10つの泉質名が存在しますが、「含ヨウ素泉」については、源泉かけ流し温泉で、「含ヨウ素泉」の存在を把握していないため、省略します)

但し、泉質の表示名はたびたび改正されており、現在では昭和56年(1979年)の温泉法の改正によって11種類の新泉質名による分類がなされています。しかし、旧泉質名のほうが分かりやすいこともあって、実際には両方が併用されています。旧温泉名の方が、温泉の泉質のイメージが沸きやすいため、以下に旧温泉名を採用し、新温泉名を併記しました。なお、11種類の新泉質名の中には、「含ヨウ素泉」は含まれていません。

 

※冒頭の写真は、「別府明礬温泉 岡本屋 青磁色の湯 大露天風呂」の泉質、明礬硫黄泉です。

1.単純温泉

 

(1)新泉質名:単純温泉

 

(2)特徴

透明で癖が無く、誰にでも喜ばれる肌に優しい温泉です。

近年人気のアルカリ性単純泉はpH8.5以上の単純温泉を指します。

 

(3)効能

リウマチ、神経痛、外傷、疲労回復など。

また、アルカリ性単純温泉は美肌効果が高いとされています。

 

(4)代表的な温泉

阿寒湖温泉(北海道)、鬼怒川温泉(栃木県)、箱根塔之沢温泉(神奈川県)、修善寺温泉(静岡県)、下呂温泉(岐阜県)、道後温泉(愛媛県)、奥津温泉(岡山県)、俵山温泉(山口県)、湯布院温泉(大分県)

 

※1.箱根塔ノ沢温泉 福住楼

2.食塩泉

 

(1)新泉質名:塩化物泉

 

(2)特徴

保温効果に優れる。1kg中に食塩15g以上含有するものを強食塩泉、5g未満のものを弱食塩泉と分けて呼んでいます。

 

(3)効能

リウマチ、神経痛、筋肉痛、冷え症、打ち身、火傷、肝臓病、胃腸病など。

 

(4)代表的な温泉

定山渓温泉(北海道)、熱海温泉(静岡県)、あわら温泉(福井県)、白浜温泉(和歌山県)、城崎温泉(兵庫県)、皆生(かいき)温泉(鳥取県)、小浜温泉(長崎県)、黒川温泉(熊本県)、指宿(いぶすき)温泉(鹿児島県)

 

※2.黒川温泉 山みず木

 

3.重炭酸土類泉・重曹泉(じゅうそうせん)

 

(1)新泉質名:炭酸水素塩泉

重炭酸土類泉:カルシウム(マグネシウム)-炭酸水素塩泉

 

重曹泉:ナトリウム-炭酸水素塩泉

 

(2)特徴

重炭酸土類泉:鎮静作用に優れる。カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの土類イオンは、神経を解きほぐす働きがあり精神的にリラックスできるほか、アレルギー性疾患にも穏やかに効きます。

 

重曹泉:皮膚の分泌物を軟化させる作用があり美肌効果に優れる「美人の湯」と言われている。

 

(3)効能

重炭酸土類泉:皮膚病、胃腸病、痛風など。

 

重曹泉:皮膚病、切り傷、火傷、肝臓病、胃腸病など。

 

(4)代表的な温泉

重炭酸土類泉:別府温泉(大分県)、妙見(みょうけん)温泉(鹿児島県)

 

重曹泉:東鳴子温泉(宮城県)、肘折温泉(山形県)、小谷(おたり)温泉(長野県)、十津川温泉(奈良県)、嬉野温泉(佐賀県)

 

※3.東鳴子温泉 旅館大沼(内風呂と露天風呂)

 

4.硫酸塩泉(石膏泉、芒硝泉、正苦味泉)

 

(1)新泉質名:硫酸塩泉

石膏泉(せっこうせん):カルシウム-硫酸塩泉

芒硝泉(ぼうしょうせん):ナトリウム-硫酸塩泉

正苦味泉(せいくみせん):マグネシウム-硫酸塩泉

 

(2)特徴

陽イオンの主成分により、石膏泉(ナトリウムー硫酸塩泉)、芒硝泉(カルシウムー硫酸塩泉)、正苦味泉(マグネシウムー硫酸塩泉)なに分類されます。石膏泉は焦げたような匂い。芒硝泉は薬味、正苦味泉は苦味が特徴です。

石膏泉・正苦味泉は鎮静・収れん作用がある。芒硝泉は肝臓病に効きます。

 

(3)効能

共通して高血圧症、動脈硬化症、リウマチなどに効く。正苦味泉は血圧を下げるため「脳卒中の湯」とも言われています。

 

(4)代表的な温泉

銀山温泉(山形県)、法師温泉(群馬県)、四万(しま)温泉(群馬県)、箱根仙石原温泉(神奈川県)、西山温泉(山梨県)、山中温泉(石川県)、山代温泉(石川県)、岩井温泉(鳥取県)、玉造温泉(島根県)

 

※4.玉造温泉 湯陣 千代の湯

5.炭酸泉

 

(1)新泉質名:二酸化炭素泉

 

(2)特徴

炭酸ガスを含み、気泡が体内に作用して血行を良くします。

ヨーロッパでは泉温が低い炭酸泉が湧き出るため、広く普及しています。

活火山が多い日本では、泉温が高いためガスが揮発しやすく、炭酸泉自体が希少です。

 

(3)効能

心臓秒、高血圧症、冷え症、動脈硬化症など。

ヨーロッパでは、「心臓の湯」と呼ばれ、評判が高い。

 

(4)代表的な温泉

入之波(しおのば)温泉(奈良県)、小屋原(こやばら)温泉(島根県)、長湯温泉(大分県)

 

※5.入之波温泉 山鳩湯

6.鉄泉・緑礬泉

 

(1)新泉質名:含鉄泉、含アルミニウム泉、含銅‐鉄泉の3つに分類

 

鉄泉:鉄泉(含鉄泉)

含明礬・緑礬(りょくばん)泉:含鉄(Ⅱ)-アルミニウム-硫酸塩泉(含アルミニウム泉)

含銅・酸性緑礬泉:酸性-含銅・鉄(Ⅱ)-硫酸塩泉(含銅‐鉄泉)

 

(2)特徴

鉄泉は空気に触れて赤褐色に変わり、飲泉することで貧血症に効きます。

緑礬泉は、アルミニウムイオンが肌や粘膜を引き締めます。

 

(3)効能

鉄泉は更年期障害、神経痛、リウマチ、湿疹など。

緑礬泉は皮膚病、水虫、眼病などに効きます。

 

(4)代表的な温泉

恵山温泉(北海道)、見市温泉(北海道)、黄金崎不老ふ死温泉(青森県)、恐山温泉(青森県)、鳴子温泉(宮城県)、不動湯温泉(福島県)、伊香保温泉(群馬県)、有馬温泉(兵庫県)、栗野岳温泉(鹿児島県)

※6.有馬温泉 陶泉 御所坊

7.硫黄泉・硫化水素泉

 

(1)新泉質名:硫黄泉

 

(2)特徴

独特の硫黄の匂いが特徴です。皮膚を軟化させる作用や、鎮静作用があります。

 

(3)効能

神経痛、リウマチ、皮膚病、婦人病、動脈硬化症、喘息など。

 

(4)代表的な温泉

登別温泉(北海道)、嶽(だけ)温泉(青森県)、乳頭湯温泉(秋田県)、高湯温泉(福島県)、奥塩原温泉郷(栃木県)、野沢温泉(長野県)、別所温泉(長野県)、白骨温泉(長野県)雲仙温泉(長野県)

 

※7.野沢温泉 旅館さやか

8.酸性泉・酸性硫黄泉

 

(1)新泉質名:酸性泉

 

(2)特徴

殺菌力に優れ、刺激が強い。最初は肌がピリピリする。刺激臭がして、口に含むと酸味がある。

 

(3)効能

皮膚病、水虫、湿疹など。

 

(4)代表的な温泉

川湯温泉(北海道)、十勝岳温泉(北海道)、酸ケ湯温泉(青森県)、玉川温泉(秋田県)、須川温泉(岩手県)、蔵王温泉(山形県)、岳温泉(福島県)、那須湯本温泉(栃木県)、草津温泉(群馬県)、万座温泉(群馬県)、別府明礬温泉(大分県)

 

※8.万座温泉 日進舘(内風呂と露天風呂)

9.ラジウム・ラドン泉(放射能泉)

 

(1)新泉質名:放射能泉

 

(2)特徴

温泉水に微量のラドンを含有する。極低レベルの放射能は人間の免疫力を高める作用を及ぼすことが分っている。

 

(3)効能

神経痛、リウマチ、ノイローゼ、更年期障害など。尿酸を排出させるので「通風の湯」とも言われている。

 

(4)代表的な温泉

栃尾又(とちおまた)温泉(新潟県)、村杉温泉(新潟県)、増富(ますとみ)温泉(山形県)、三朝(みささ)温泉(鳥取県)、関金(せきがね)温泉(鳥取県)

 

※9-1.三朝温泉 河原の湯(混浴露天風呂)

※9-2.三朝温泉 共同湯 株湯(飲泉、足湯もあり)

※9-3.三朝温泉 藍の宿 木屋旅館 楽泉の湯(ラジウム泉、鮮度抜群の直湧き温泉)

10.免疫力アップのまとめ

 

今回は泉質の分類について解説してきましたが、私は泉質よりも源泉かけ流しの醍醐味である「還元力」にこだわって入浴しています。

 

「還元力」の高い温泉とは、自然湧出で泉源に近く、湯量が豊富で、かつ、浴槽内が人で混まない温泉が、源泉の鮮度を劣化させずに、「還元力」が高い温泉であると言えます。

次に泉質にこだわると、泉質が違えば、温泉入浴時の雰囲気も全然違ってきます。

 

私は、泉質でいえば、強酸性泉や硫黄泉が好きで、硫黄の匂いが「家庭の風呂では味わえない、これぞ温泉に来たぞ!」と実感できます。

 

食塩泉は、保温効果が高く湯冷めしないため、体温上昇による免疫力を増進してくれます。他の泉質でも、源泉かけ流しであれば、塩素が入っていないため、家庭のお風呂より保温効果が高いことから、「還元力」がある源泉かけ流し温泉でプチ湯治して、武漢ウイルスに負けない免疫力を養いましょう。

以上

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