総合監理技術部門の口頭試験は、一般部門(20部門)のように高度な専門技術に関する回答を要求されず、ひたすら総監の視点での回答を求められます。
以上のように総監では、口頭試験の冒頭から終了するまで間、常に一貫した姿勢であることを意識して対策を準備しておく必要があります。
1.総合技術監理部門の業務経歴(5つの管理の視点)
Q1.「これまでの経歴を総合技術監理部門の5つの管理を交えた視点で説明してください。」
これは、私が総合技術監理部門の口頭試験受験の際に、最初に受けた質問です。
冒頭から、この質問をする試験官の意図は、「これから聞く事は全て総監の視点で答えなさい」という意思の表れと言えます。
つまり、別の総監キーワードによる質問を持ち出さない限り、「総監の5つの管理と全体最適化の視点で回答する必要がある」ことを常に意識付けしておきましょう。
2.業務経歴を5つの管理の視点で整理するポイント
総監の5つの管理とは、「経済性管理」、「人的資源管理」、「安全管理」、「情報管理」、「社会環境管理」を指します。「経済性管理」は更に、「予算管理」、「品質管理」、「工程管理」に分かれます。
(1)業務経歴を成長過程の3つのステップに分ける
総合監理技術部門を受験するには、科学技術に係る業務経験について10年以上(一部短縮の制度あり)の経歴が必要であるため、ある程度の業務経験を積んで臨まれています。
その業務経歴を以下の3つのステップに分けて説明していくと、利き手の試験官にも分りやすい回答となります。
a.新人ステップ(基礎ステップ)
b.応用ステップ
c.監理ステップ
a.新人ステップ(基礎ステップ)
会社や役所に入社したころから、または研究機関に入ったころからなど数年間の新人の期間を指します。基礎的な仕事を任される期間でもあり、基礎ステップと置き換えてもよいでしょう。
b.応用ステップ
一人で主要な仕事を任さられる期間の中堅技術者を指します。一人で主体的に設計等の業務が出来る期間です。
c.監理ステップ
プロジェクトを束ねるリーダーや職場の管理職クラスなどの時期を指します。
(2)ステップ毎の成長を5つの管理で示す
a.新人ステップ(基礎ステップ)
新人の頃は、小規模な工事や製造に関する費用の積算や工程の作成などの経済性管理、データ収集などの情報管理、保護具の取扱いに関する安全管理などの個別管理の基礎について上司や先輩からの指導受けながら仕事に取組み学んだ点を述べます。
b.応用ステップ
独り立ちして、主要な工事や製造についての主担当技師として、コスト低減や工期短縮などの経済性管理、現場の安全管理、公害防止の社会環境管理などを工事や製造全体に関わる業務を主体的に取り組んだことを述べます。
c.管理ステップ
プロジェクトのリーダーや職場の管理職として、業務の進行にあたり総括的な立場で監理した点を述べます。また、若手技術者に対し教育・指導した人的資源管理についても述べることで5つの管理の全てを網羅していることを補足しておくと良いでしょう。
d.成長過程を説明する際のポイント
上記の3つの成長過程を説明する際には、業務経歴に記載した5行の業務を活用し、具体的に述べることがポイントです。抽象的な内容では、あなたの技術者としてのリアルな経験が試験官に伝わりません。こうなると、「まだまだ修行が足りないな」と評価され、「修行を積んで、出直して来なさい」となります。
(3)経歴説明の例
経歴についてですが、○○年間で、3つのステップを経て現在に至っています。
まず、最初の△年間は、技術担当として、●●●(業務経歴1より)の問題点や▲▲▲(業務経歴2より)の問題点を改善する取り組みの中で、分析に使う収集データの情報管理や、分析結果を基に改善策をマニュアル化する品質管理などの個別管理により、業務成果を纏め活用してきました。
次の□年間は、技師として、■■■(業務経歴3より)の防止対策や、◆◆◆(業務経歴4より)の精度向上のため、改善するのに大掛りな□□□工事が伴う案件について、◎◎◎(発注者側、又は受注者側)の立場で工事管理業務を主体的に行ってきました。これらの工事を実施する中で、予算内でのコスト管理、工事現場の安全管理、▽▽▽(公害名称)の防止を図る社会環境管理、複数の作業が同時に進行する作業の工程管理など工事全体の管理業務を行ってきました。
最近の◇年間は、△△△(役職、職位、監理者名など)として、★★★(業務経歴5より)の大規模工事を実施するにあたり、☆人で構成するプロジェクトのリーダーとして、工事設計や施工を総括的に監理する立場で業務に取り組んでいます。この中で、プロジェクトメンバーは、私よりも若手であったため、OJTによる短期教育などの人的資源管理を行っています。
3. 総監の業務経歴説明のまとめ
Q1.「これまでの経歴を総合技術監理部門の5つの管理を交えた視点で説明してください。」のように問われずに、いきなり
Q2.「あなたは、これまでどのように総合技術監理を向上させてきましたか?」や
Q3.「あなたは、これまでどのように総合技術監理のスキルを身に付けて来ましたか?」など
「経歴」という言葉を用いずに、質問される場合があります。
このとき「準備した5つの管理の視点での成長過程の経歴」のことを回答すればよいのに、緊張しているため気付かず、パニくる可能性があります。
言葉を変えての質問で、用意していた回答に気付かないことは、私の口頭・口述経験の経験でもよくあります。
その際、「総合技術監理の向上させてきた経歴を話すことでよろしいでしょうか?」と確認するなどして、落ちついて、準備した5つの管理の視点での成長過程の経歴を述べて下さい。
この質問がある場合には、最初に質問されるケースが多く、試験官とのやりとりにある程度の時間(1~5分)が割かれるため、ここを無事クリアすることで、以降に心の余裕が生まれます。
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