【資格の活用】電気工事士と電気工事施工管理技士の組合せによる相乗効果(ダブルライセンスのメリット)

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電気工事施工管理技士(1級)

 

【資格の活用】電気工事士と電気工事施工管理技士の組合せによる相乗効果(ダブルライセンスのメリット)

1.私の保有資格と資格概要

 

  私は、第1種電気工事士と1級電気工事施工管理技士を保有しています。

 

第1種電気工事士の施工範囲は、

 

(1) 一般用電気工作物の電気工事(第2種電気工事士も施工可能な範囲) に加えて

 

(2)自家用電気工作物のうち最大電力500 キロワット未満の需要設備の電気工事(第1種電気工事士の限定範囲) の施工が可能です。

 

資格の分類でいえば、「業務独占資格」です。

 

一方、1級電気工事施工管理技士の資格は、

 

(1) 一般建設業の許可を受ける際に必要な「営業所ごとに配置する専任の技術者」及び「建設工事における現場の主任技術者」として認められる等、施工管理に携わる方には必要不可欠な資格(2級電気工事施工管理技士の範囲) に加えて

 

(2)1級電気工事施工管理技士の資格を取得すると、特定建設業の「営業所ごとに置く専任の技術者」及び現場に配置する「監理技術者」として認められます。(技術士又は1級電気工事施工管理技士の限定範囲)

 

資格の分類でいえば、「必置資格(設置義務資格)」です。

 

これらを踏まえて、以下に、電気工事士及び電気工事施工管理技士の仕事とダブルライセンスによるメリットを紹介します。

 

 

2.電気工事士の仕事(電気工事設計・施工の専門家)

 

  電気工事士は、住宅、店舗、事務所、工場、病院、公共施設など、ありとあらゆる建物において、電気設備の設計・施工を行う仕事です。

 

いわゆる資格の分類でいえば、「業務独占資格」であり、電気工事士以外は上記の工事を行うことができません。

 

具体的には、ビルなどを新築する際、外の電柱から電線を建物内に引き込んで、各部屋に配線したり、配電盤を設置したりします。

 

また、既存の建物に対しては、故障した部分を修理したり、新たな配線を追加したり、コンセントや照明、エアコンを増設したりします。

 

さらに、工事するだけでなく、大規模なビルや商業施設に常駐して、エレベータやエスカレータ、変電設備、防災設備などのメンテナンスを行うこともあります。

 

3.電気工事施工管理技士の仕事(電気工事現場の施工管理を行う技術者)

 

  電気工事施工管理技士は、さまざまな電気設備(照明・変電設備・送電設備・信号・配線など)の 電気工事現場で、現場の施工管理をおこなう人のことをいいます。

 

「施工管理」とひとことで言っても、 その業務内容は多岐に渡り、工事の進捗管理から工事予算の管理、業者の手配などさまざまです。

 

電気工事施工管理技士の仕事は、電気工事の現場において現場全体の管理をおこなう事ですが、 施工管理者の仕事内容を、代表的に「4大管理」と呼ぶことがあります。

 

「4大管理」とは、工程管理、品質管理、原価管理、安全管理を指します。

 

上記の「4大管理」のほか、工事の発注者や現場監督等と一緒に工事の打ち合わせをしたり、工事書類の作成をしたりといったデスクワークなどの業務もあります。

 

責任者として現場全体の動きを把握しなくてはいけないので、工事発注者や作業員、資材屋、設計者・・・多方面の人間との関わりも多く、電気工事施工管理技士になるにはコミュニケーション能力や臨機応変に対応できる力が必要となります。

 

 

4.電気工事士と電気工事施工管理技士の組合せによる相乗効果(ダブルライセンスのメリット)

 

  電気工事士は、業務独占資格であり、電気工事施工管理技士は、必置資格(設置義務資格)であるため、この2つを組合せることにより、以下の相乗効果が得られます。

 

(1)電気工事業務を主体とした場合

 

  電気工事士として電気設備を設計・施工し、併せて、電気工事管理技士として現場の主任技術者や監理技術者となり施工管理できます。

 

お客様にとっては、電気設備の設計・施行者と、現場の施工管理者が別な人よりも、同じ人に任せた方が、工程管理により納期が守られ、品質管理でシステム全体の品質が保証されるため不安が解消されます。

 

仕事を任せられる本人としても、自身の設計と施工に加えて、現場の施工管理まで任されることでやりがいと責任を持ち、お客様の信頼を得ることで運開後の設備の点検やトラブル対応の仕事を任される可能性があり、「トータルサポートビジネス」として、利益を継続できる仕組み作りに繋げることができます。

 

(2)電気工事施工管理技士を主体とした場合

 

  現場の主任技術者や監理技術者として現場責任者の立場で管理している場合において、品質チェックを行っている際に施工不良が発覚した場合、自ら施工し直すことが出来ることで工程の進捗が有利になります。

 

また、自ら施工した経験がないと施工や危険のポイントが分らず、設計及び施工管理自体が疎かになります。

 

そのため、電気工事士として経験を積んだ後に、電気工事施工管理士の資格をとり、ステップアップして工事全体を管理する立場になることで、自身の経験を工事全体に活かせます。

 

電気工事施工管理技士の資格は、公共性が高い工事で、ある程度の規模の工事を請負う工事会社に属することで力が発揮されますし、電気工事会社の求人がほとんどです。

 

よって、一度施工した後にその電気設備の点検、トラブル対応、及び寿命による更新などの際に、お客様から話が持ちかけられることがあります。その際、ただ工事の管理だけをしていた事務的な施工管理技士と自らも施工し管理をしていた技術的な施工管理技士とで、どちらがお客様の信頼を得られるでしょうか。私がお客様であれば、事務的なペーパー施工管理技士よりも自ら施工できる真の施工管理技士の方が次も頼みたくなります。 

 

電気工事施工管理技士に加えて電気工事士の資格を持ち合わせることにより、点検で不具合が見つかり、取替工事が発生する場合に、その工事を請負う可能性がアップすると考えます。

 

いわゆる電気設備のライフサイクルを取替工事から点検整備までを一手に引き受ける「トータルサポートビジネス」として、利益を継続できる仕組み作りに繋げやすくなります。

 

また、大規模工事の施工管理業務は、ロングスパーンで神経を使う仕事です。ひと区切り付いて直ぐ次の大規模工事の施工管理業務は、負担が大きいため、次の大規模工事の施工管理業務までの間は、電気工事士の一兵卒として活動し、鋭気を養い、次の工事設計を進めることもダブルライセンスの成せる技です。

 

5.相乗効果(ダブルライセンスのメリット)のまとめ

 

 以上のように、どちらの仕事をメインにしても、両方の資格を持ち合わせることによる相乗効果とメリットを顧客に説明し理解していただくことで、更なる仕事のオファーが増えることが期待できます。

 

更に、第2種電気工事士の方であれば、第1種電気工事士へのステップアップにより自家用電気工作物の施工が可能となり、2級電気工事施工管理技士の方であれば、1級電気工事施工管理技士へのステップアップにより大規模な工事で下請業者を束ねる監理技術者の立場で監督できる規模が大きくなりますので、更なる仕事の幅が広がります。

 

以下に、今回記事の関連リンクを貼りましたので、参考にしてください。  

関連記事リンク1: 【資格の概要】電気工事士とは ~電気工事士法による規定~  

関連記事リンク2: 【資格受験全体の流れ】電気工事士の試験区分と試験の流れについて  

関連記事リンク3: 【資格の保有者講習】第1種電気工事士の定期講習 ~実施機関の比較や受講の感想~  

関連記事リンク4: 【電気工事士法】目的・電気工事の種類と資格・義務 ~一般用・自家用電気工作物や特種電気工事資格者について~  

関連記事リンク5: 【資格の概要】施工管理技士 ~建設業界・現場のトップ資格~  

関連記事リンク6: 【資格受験全体の流れ】施工管理技士の種類・申込み・試験方法 ~合格基準・難易度~  

関連記事リンク7: 【資格取得】業務独占資格や名称独占資格などの資格分類について ~4つの分類~  

関連記事リンク8: 【資格取得】技術系資格における業務独占資格や名称独占資格などの資格分類について  

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