【電気事業法】小出力発電設備の事故報告が追加で義務化

電気主任技術者(第1種、2種、3種)

 

【電気事業法】小出力発電設備の事故報告が追加で義務化

 

再エネ発電設備の事故が社会的影響を及ぼした事案が発生していることから、電気事業法が改正され、出力10kW以上50kW未満の太陽光発電設備他について2021年4月から事故報告が義務化されます。

 

所有者の方におかれましては、事故発生を知った時から24時間以内に速報を、30日以内に詳細報告を、発電設備の設置場所を管轄する経済産業省産業保安監督部に行う必要があります。

 

なお、報告を行わない場合、罰則の対象となる可能性があります。

 

以下に主な追加概要を記載しました。

 

 

1.事故報告の義務追加の目的

 

・「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(FIT法)」の導入以降、小出力発電設備を 中心に再生エネルギー発電設備の設置件数は増加しています。

 

・一方、小出力発電設備を含む再生エネルギー発電設備 関連の事故が社会的影響を及ぼした事案も発生しており、安全の確保が課題になっています。

 

・こうした状況を踏まえ、事故 原因の究明や再発防止対策を講じるために必要な事故情報を収集する目的で、導入件数の多い小出力発電設備を電 気事業法の事故報告制度の対象として新たに加えることになりました。

 

 

2.事故報告制度

 

電気事業法第106条の規定に基づく、電気関係報告規則が令和3年(2021年)4月1日に改正されることに伴い、電気事業法第38条第2項で定める小出力発電設備のうち、10kW以上50kW未満の太陽電池発電設備20kW未満の風力発電設備について、事故報告の対象に追加されました。

 

(1)感電

 

・感電事故とは、感電によって人が死亡もしくは入院した場合の事故です。

 

 

 

(2)電気火災

 

・電気火災事故とは、風車ナセルや太陽光パネルなどの設備が原因で発生した火災事故が該当します。

 

 

 

(3)他社への損害

 

・太陽光パネルや架台、風車ブレードなどの破損により、他社へ損傷を与えた事故。例えば、太陽光パネルの飛散や敷地内の土砂崩れによる土砂流出など、他社へ損傷を与えた場合が該当します。

 

(4)設備の破損

 

・設備の破損により運転が停止する事故。例えば、風車タワーの倒壊や風車ブレードの折損、太陽光パネルの破損、パワーコンデショナーの焼損などが該当します。

 

 

 

3.報告時期と報告先

 

事故を覚知した(知った、気づいた)時から「24時間以内に事故の概要(速報)」について、「30日以内に事故の詳細(詳報)」について報告を行う必要があります。  


報告先は発電設備の設置場所を管轄する産業保安監督部になります。

 

 

4.事故報告フロー

 

 

 

5.その他、調べてみて

 

(1)事故報告の未提出や虚偽記載時の罰則

 

・30万円以下の罰金に処される可能性があります。なお、やむを得ない事由により、事故報告を期限までに提出できなかった場合、直ちに罰則の対象とはなりません。

 

(2)太陽光モジュールの破損報告の対象

 

・太陽光モジュールの破損事故は、半壊以上(20%以上)の破損について、事故報告の対象となります。

 

※半壊とは、損壊の程度が工作物(建物については延床面積)の20%以上70%程度である こと(内閣府の「災害に係る住宅等の被害認定基準検討委員会」で検討された「災害の被害認定 基準について(平成13年6月28日府政防第518号)」に準ずる。)

 

 

(3)太陽光発電設備の破損事故報告が必要な主要電気工作物とは

 

・10kW以上の太陽電池モジュール(パネル)及び支持物、逆変換装置(1台あたり容量10kVA 以上)、変圧器、負荷時電圧調整器、負荷時電圧位相調整器、調速機、電力用コンデンサー、 分路リアクトル及び限流リアクトル、周波数変換器、整流器、遮断器がこれに該当します。(※ただし、経産省のHPには、調速機と記載がありますが、太陽光発電設備に調速機があるとは思えません)

 

(4)風力発電設備の破損事故報告が必要な主要電気工作物とは

 

・風力機関、発電機、逆変換装置、変圧器、負荷時電圧調整器、負荷時電圧位相調整器、 調速機、電力用コンデンサー、分路リアクトル及び限流リアクトル、周波数変換器、整流器、遮断器がこれに該当します。

 

 

6.まとめ

 

・小出力発電設備は、普及促進のために、電気主任技術者の選任が免除されるなど、保安を簡素化していますが、身近な一般社会に普及してきており、安価な設備で導入するため、破損しやすい傾向があります。

 

・小出力発電設備は、一般民家にも、普及が広がってきていることやその数も多いため、事故の報告義務を追加したものと考えます。

 

・再生可能エネルギーの普及拡大のため、今後、小出力発電設備は益々増加していくので、事故報告の義務が課せられる設備の所有者、又は占有者のモラルがより一層に問われることとなります。

 

 

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