【資格の活用】電気主任技術者(電験)と電気工事施工管理技士(セコカン)の組合せによる相乗効果(ダブルライセンスのメリット) ~資格の違いや難易度も解説!~

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電気主任技術者(第1種、2種、3種)

 

【資格の活用】電気主任技術者(電験)と電気工事施工管理技士(セコカン)の組合せによる相乗効果(ダブルライセンスのメリット) ~資格の違いや難易度も解説!~

 

1.私の保有資格と資格概要(資格の違いや難易度)

 

私は、第1種電気主任技術者と1級電気工事施工管理技士を保有しています。

 

電気主任技術者は、

 

事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督のため、設置者が電気事業法上置かねばならない電気保安のための責任者です。

 

例えば、受電用の高電圧のキュービクルを設置する工事や発電所の電気設備を設置する工事を監督したり、運用開始後の電気設備の保安の監督をする責任者です。

 

資格の分類でいえば、「必置資格(設置義務資格)」です。

 

 

一方、1級電気工事施工管理技士の資格は、

 

(1)一般建設業の許可を受ける際に必要な「営業所ごとに配置する専任の技術者」及び「建設工事における現場の主任技術者」として認められる等、施工管理に携わる方には必要不可欠な資格(2級電気工事施工管理技士の範囲) に加えて

 

(2)1級電気工事施工管理技士の資格を取得すると、特定建設業の「営業所ごとに置く専任の技術者」及び現場に配置する「監理技術者」として認められます。(技術士又は1級電気工事施工管理技士の限定範囲)

 

平たく言えば、電気工事会社の施工管理の責任者になれる資格です。

 

資格の分類でいえば、こちらも「必置資格(設置義務資格)」です。

 

電気主任技術者、及び 電気工事施工管理技士 の資格共に、受験での資格取得が可能であり、どちらも電気工学に関する知識勉強について共通する点は、あるものの、難易度は、電気主任技術者(いわゆる電験)の方が、高いです。

 

その他、電気工事施工管理技士は、受験資格に実務経験が必要であること。電気主任技術者は、受験資格がなく誰でも受験できる点に違いがあります。

 

また、電気工事施工管理技士は、受験でしか取得できないのに対して、電気主任技術者は、実務経験により申請することで取得が可能である点についても、違いがあります。

 

これらを踏まえて、以下に、電気主任技術者(電験)及び電気工事施工管理技士(セコカン)の仕事とダブルライセンスによるメリットを紹介します。

 

 

2.電気主任技術者の仕事(事業場の専属と外部からの選任)

 

電気主任技術者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督のため、設置者が電気事業法上置かねばならない電気保安のための責任者です。

 

電気主任技術者は、事業場の専属の主任技術者の他に、主任技術者の不選任承認制度(電気事業施工規則第52条第2項)により外部の電気主任技術者を選任できる制度があります。

 

具体的には、出力500kW未満の発電所(原子力発電所を除く)のみに係る事業場および電圧7,000V以下で受電する最大電力が1,000kW未満の需要設備のみに係る事業場または電圧600V以下の配電線路を管理する事業場であって、保安協会または電気管理技術者と保安に関する業務を行ってもらうべき契約をしている場合等で、所轄経済産業局長の承認を受けた事業場については主任技術者を選任しないことができる制度です。

 

 

3.電気工事施工管理技士の仕事(電気工事現場の施工管理を行う技術者)

 

電気工事施工管理技士は、さまざまな電気設備(照明・変電設備・送電設備・信号・配線など)の 電気工事現場で、現場の施工管理をおこなう人のことをいいます。

 

「施工管理」とひとことで言っても、 その業務内容は多岐に渡り、工事の進捗管理から工事予算の管理、業者の手配などさまざまです。

 

電気工事施工管理技士の仕事は、電気工事の現場において現場全体の管理をおこなう事ですが、 施工管理者の仕事内容を、代表的に「4大管理」と呼ぶことがあります。

 

「4大管理」とは、工程管理、品質管理、原価管理、安全管理を指します。

 

上記の「4大管理」のほか、工事の発注者や現場監督等と一緒に工事の打ち合わせをしたり、工事書類の作成をしたりといったデスクワークなどの業務もあります。

 

責任者として現場全体の動きを把握しなくてはいけないので、工事発注者や作業員、資材屋、設計者・・・多方面の人間との関わりも多く、電気工事施工管理技士になるにはコミュニケーション能力や臨機応変に対応できる力が必要となります。

 

 

4.電気主任技術者(電験)と電気工事施工管理技士(セコカン)の組合せによる相乗効果(ダブルライセンスのメリット)

 

電気主任技術者と、電気工事施工管理技士は、必置資格(設置義務資格)であるため、この2つを組合せることにより、以下の相乗効果が得られます。

 

(1)電気主任技術者の仕事を主体とした場合

 

外部の電気主任技術者に事業場の電気工作物の保安監督を依頼する際に、電験のみの資格の人と電験と電気工事施工管理技士の両方の資格を持っている人が居て、どちらも面識がない場合に仕事をお願いするとなると、やはり両方持っている人にお願いする人が多いと思います。

 

両方の資格を持ち合わせることにより、事業場の外部から電気設備の保安業務契約を結び電気主任技術者としての立場で仕事をすることに加え、設備故障時の電気回路の修理工事の提案や改修工事を設計・施工監理できる立場で活動できるため、本人とお客様の双方にメリットがあります。

 

また、事業場の専属の電気主任技術者になった場合には、設備更新や設備改修の際に、工程管理や品質管理、及び安全管理などに関する施工管理技士としての知識と経験が活かされます。

 

 

(2)電気工事施工管理技士を主体とした場合

 

現場の主任技術者や監理監督者として現場責任者の立場で管理している場合において、お客様が電気主任技術者を持ち合わせていない場合に、高電圧の電気設備の電気工事を実施するのであれば、外部からの電気主任技術者として工事の保安監督業務を受託し、更に運用開始後に、保守運用の保安監督業務を受託するケースにも繋げられます。

 

電気工事施工管理技士の資格は、公共性が高い工事で、ある程度の規模の工事を請負う工事会社に属することで力が発揮されますし、電気工事会社の求人がほとんどです。

 

電気工事の責任者である施工管理技士(主任技術者、又は監理技術者)としてお客様との関わり合いを持ち、一度施工した後に、その電気設備の点検、トラブル対応、及び寿命による更新などの際に、お客様から話が持ちかけられることがあります。

 

電気工事施工管理技士に加えて電気主任技術者の資格を持ち合わせることにより、電気設備の設置から携わっていて設備を熟知している人に、お客様は、定期的なメンテナンスを任せる可能性が非常に高くなります。

 

いわゆる電気設備のライフサイクルを取替工事から点検整備までを一手に引き受ける「トータルサポートビジネス」として、利益を継続できる仕組み作りに繋げやすくなります。

 

また、大規模工事の施工管理業務は、ロングスパーンで神経を使う仕事です。ひと区切り付いて直ぐ次の大規模工事の施工管理業務は、負担が大きいため、次の大規模工事の施工管理業務までの間は、電気設備の点検作業員の一兵卒として活動し、鋭気を養い、次の工事設計を進めることもダブルライセンスの成せる技です。

 

 

5.相乗効果(ダブルライセンスのメリット)のまとめ ~資格のステップアップ~

 

以上のように、どちらの仕事をメインにしても、両方の資格を持ち合わせることによる相乗効果とメリットを顧客に説明し理解していただくことで、更なる仕事のオファーが増えることが期待できます。

 

更に、第3種電気主任技術者の方であれば、第2種や第1種電気主任技術者へのステップアップにより保安監督できる電気工作物の範囲が広がります。

 

 

また、2級電気工事施工管理技士の方であれば、1級電気工事施工管理技士へのステップアップにより大規模な工事で下請業者を束ねる監理技術者の立場で監督できる規模が大きくなりますので、更なる仕事の幅が広がります。

 

 

以下に、今回記事の関連リンクを貼りましたので、参考にしてください。

 

関連記事リンク1: 【資格の概要】電気主任技術者とは ~電験と呼ばれる理由~

 

関連記事リンク2: 【資格受験全体の流れ】電気主任技術者の試験区分と試験の流れについて

 

関連記事リンク3: 【電気事業法】電気主任技術者(電験)1種・2種・3種の保安監督範囲

 

関連記事リンク4: 【電気事業法】電気工作物の区分 ~一般用・事業用・自家用の分類~

 

関連記事リンク5: 【資格の概要】施工管理技士 ~建設業界・現場のトップ資格~

 

関連記事リンク6: 【資格受験全体の流れ】施工管理技士の種類・申込み・試験方法 ~合格基準・難易度~

 

関連記事リンク7: 【資格取得】業務独占資格や名称独占資格などの資格分類について ~4つの分類~

 

関連記事リンク8: 【資格取得】技術系資格における業務独占資格や名称独占資格などの資格分類について

 

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以上

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